
「あぁ、しまった・・・こんなはずでは・・・。」
だれもが、不動産投資に失敗して後悔する前に、失敗の原因を知っておきたいですよね。
では、具体的に、不動産投資の失敗の原因とは、どんなものがあるのでしょうか?
この記事では、以下をくわしく説明していきます。
・そもそも不動産投資における失敗とは?
・不動産投資での失敗事例
・どうすれば防げたか
・不動産投資に失敗する人の共通点
・成功する人が不動産投資を始める前に準備していること
不動産投資は株式投資などと比べ、価格変動が少なく、毎月安定した利益を得ることができます。
失敗する原因さえ、しっかりと学んでおけば、安定的に副収入を得られる堅実な投資手法です。
失敗する原因を全て潰しておけば、不動産投資の成功に早く近づくことができます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 不動産投資における失敗とは?
不動産投資の目的ごとに「不動産投資における失敗」とは何を指すのかを説明していきます。
まず、不動産投資は以下の2種類に分かれます。
・安い価格で購入して、地価が上がったタイミングで売却し、差益を狙う
キャピタルゲイン(売却益・値上がり益)
・入居者からの賃料を収益とする
インカムゲイン(賃料収入)
キャピタルゲインにおける失敗とは、以下のようなことが挙げられます。
・売るまでに長期間かかってしまう。
・買値よりも安い金額でしか売れなかった。
売れない期間が長引くほど苦しくなっていきます。また、値上がりを見込んで購入しても、自分の予想以上に値上がらず、結局買った時の値段以下で売却してしまうと損をしてしまいます。
いつか上がるだろうとずっと所有しておくのも危険です。キャピタルロスが大きくなる前に損切りしましょう。
インカムゲインにおける失敗とは、以下のようなことが挙げられます。
・空室が続いてしまい、自己資金ローン返済による赤字(家賃滞納も同じ)
・長期的にかかる経費を把握していなかったことによる経営難
空室が続いてしまい、自己資金ローン返済による赤字(家賃滞納も同じ)
不動産投資は多くの場合、多額のローンを組んで運用していきます。そのため家賃収入が得られなくても、ローンの返済は行わなければなりません。
つまり、空室が続いてしまうと、ローンの支払いだけをし続けなければならないのです。
さらに、管理費用や修繕積立金などのランニングコストが常に発生し、入居者がいるかいないかに関わらず、支払い続けなければなりません。
空室が続く理由としては、以下の理由が挙げられます。
・入居需要が見込めないエリア(人口が少ない、利便性が低いなど)である
・賃料が相場よりも高い、もしくは、賃料が物件のレベルと同等でない
賃料収入を目的としている不動産投資(インカムゲイン)では、空室が続いてしまうと失敗してしまいます。
空室対策として以下のことを頭に入れておきましょう。
・相場を調べて賃料設定を行なう(SUUMOやat homeで同じような条件で調べる)
長期的にかかる経費を把握していなかったことによる経営難
長期的にかかってくる経費を、収支計画に入れていないと、思わぬ出費が発生し、収支が一時的にマイナスになってしまうこともあります。
長期的にかかる経費というのは、主に以下のことを指します。
・設備故障による出費(給湯器故障など)
・税金(固定資産税・都市計画税など)
給湯器の耐用年数は10年~15年と言われており、交換するとなると、おおよそ12万円前後の費用がかかります。また、不動産を取得すると固定資産税や都市計画税などの税金も毎年かかってきます。
このような設備修理・交換費・税金などをあらゆる経費を含めて長期的な資金計画をしないと、後々思わぬ出費がかさみ、自分が想像していた収支よりもマイナスになってしまいます。
収支計画を立てる際は、様々な場面を想定して支出は多く見積もっておき、思わぬ出費に備えて、不動産投資を始める前にまとまったお金を蓄えておくことをおすすめします。
おおよその目安ですが、家賃の半年分ほど蓄えておくと安心でしょう。
2. 絶対にやってはいけない4つの失敗
過去3,500件以上の不動産取引に従事してきたプロが、実際にあった不動産投資での失敗事例を紹介していきます。
特に失敗事例が多い順に上から並べているので、しっかり学び今後に活かしていきましょう。
2-1. 不動産投資の目的が漠然としていて営業マンの言いなりになってしまう
不動産投資で失敗してしまう失敗事例の一つ目として、不動産投資の目的が漠然としていて、営業マンの言いなりになり失敗してしまうことがあります。
はたまた、営業マン側も「ニーズに合った物件を提案しよう!」と思っていても、不動産投資の目的が「副収入として儲けられればいい」というように漠然としていると、本当にその人の目的に合った物件提案ができず、ミスマッチが起こりかねないでしょう。
不動産投資と一口に言っても、目的により物件の選び方が変わってきます。
たとえば、高いリターンが欲しい人は、将来再開発が予定されていて値上がりが期待できる場所の物件や、今後家賃が上がりそうな人気エリアの物件など、キャピタルゲインに向いている物件を選ぶ必要があります。
将来の年金対策や、不労所得が目的の人は、物件の資産価値が高く、築年数が経っても価値が下がりにくい、入居者からの需要が安定して見込めるような利便性の高い物件を選ぶ必要があります。
自分にとっての「不動産投資の目的」をしっかりと持っていれば、営業マンの言いなりにはなりにくいと言えます。
2-2. 利回りだけを考えて購入してしまい、空室が続いてしまった
不動産投資で失敗してしまう失敗事例の二つ目として、利回りだけを考えてしまうケースがあります。
不動産投資の物件選びで、利回りを意識される人は多いですが、”利回りだけ”を考えて購入すると大きな落とし穴にはまることがあります。
なぜなら、不動産投資の利回りは、空室率に比例するからです。
不動産投資の利回りは以下のように算出されます。
不動産投資で利回りを上げるためには、「家賃収入を上げる」もしくは「物件価格を安く抑える」の二択です。
たとえば利回りだけを考えて、価格の安い地方物件を選んだとしましょう。物件価格が安いということは、土地の価格が安く、また地方郊外だと、人口が減少傾向にあり、賃貸需要があまり期待できない可能性があります。そのため、物件価格を抑えることができれば利回りは上がりますが、空室リスクが高まる危険性があるのです。
安定した家賃収入を得るためには、利回りだけで判断せず、「本当にその利回りが入ってくるのか?」「賃料収入が滞る原因になり得る要素はないか?」という視点をもち、「都心などの利便性が高く、人口増加している賃貸需要が高いところ」などを検討してリスクを一つずつ潰していきましょう。
2-3. 収支計画が甘かった
不動産投資で失敗してしまう失敗事例の三つ目として、収支計画が甘かったというケースがあります。
不動産投資は物件を購入してからも、ローンの返済や、修繕費、管理費、固定資産税や都市計画税などの税金を支払わなければなりません。
また、常に入居者がいる稼働率100%の状態を維持できるとは限りません。もし入居者がなかなか決まらなければ、空室期間は賃料収入ゼロの状態となり、自己資金でローン返済することになります。
目安ですが、家賃の半年分くらいを予備金としておくと、急な空室になった際も慌てずに済みます。
不動産投資に限らず投資をする際は、最悪の場合を想定して、最善の備えをしておきましょう。
2-4. サブリース会社とのトラブル
不動産投資で失敗してしまう失敗事例の四つ目として、サブリース会社とのトラブルが挙げられます。
サブリースとは、家賃保証制度のことを指します。サブリース会社が物件を一括で借り上げし、万が一、物件が空室になってしまったとしても、サブリース会社が家賃の7~9割を保証してくれるという仕組みです。
サブリース会社は、入居者募集や賃貸借契約、家賃回収、物件管理業務など賃貸に関わる業務を行ない、その対価として、リース料をオーナーがサブリース会社へ支払います。
一見、安心で非常に魅力的に見える制度ですが、実際にサブリース会社とオーナーがトラブルになるケースは非常に多いです。
たとえば、サブリースを解除しようとすると、違約金として100万円請求されてしまうこともあります。また、サブリース契約を解除できずに、サブリース会社から家賃を下げることを求められる場合もあります。
さらに、賃貸のサブリースは借地借家法であるため、行政が介入できず、なかなか解決しません。
サブリースの全てが悪いわけではありませんが、そういった事例が多いのが現状です。
本記事では、サブリースはおすすめしません。
そもそも家賃保証を付けなければという空室懸念がある物件を選んでしまうのは非常に危険です。サブリースを付けずとも毎月きちんと家賃が入ってくるような、入居需要が高いエリアや、人口の多い都心エリアの物件をおすすめします。
3. 不動産投資に失敗する人の共通点
不動産投資で失敗してしまう人の共通点は、以下の4つです。
・不動産投資の目的やゴールが漠然としている
・余裕金がないもしくは少ない
・入居者ニーズよりも自分の儲けだけを考えている
・管理会社や仲介会社からの提案に耳を傾けない
以下で具体的に見ていくことにしましょう。
3-1. 不動産投資の目的やゴールが漠然としている
不動産投資で失敗してしまう人の共通点の一つ目は、不動産投資の目的やゴールが漠然としているケースです。
不動産投資は、始める前にしっかり目的やゴールをはっきりさせておく必要があります。なぜなら、不動産投資の目的やゴールによって、購入する物件が異なるからです。
不動産投資の目的は、以下のように大きく二つに分けられます。
①安定した不労所得を得たい
②物件の値上がり益で大きく儲けたい
まず①「安定した不労所得を得たい」の目的を達成するためには、以下のような物件を選ぶ必要があります。
・賃貸需要が旺盛な立地に存在する物件
・物件の資産価値が高く、耐久性があり経年劣化しにくい
上記のような物件を保有し、空室リスクを抑えた安定的に家賃収入が得られる物件を選ぶといいでしょう。
一方②「物件の値上がり益で大きく儲けたい」場合は、以下のような物件を選ぶ必要があります。
・将来地価の上昇が見込める立地
・現在何らかの理由で値下がりし、将来的に値上がりする見込みのある物件
②の場合は、現在の物件の空室率などをさほど考慮せず、将来的に値上がりしそうな立地・物件であることが条件です。
今はあまり需要がある立地ではないが、再開発で将来的に需要が見込める土地や、現在は事故物件となっているが、再生できれば魅力的な物件になる見込みのある物件などが対象です。
このように不動産投資は、目的やゴールによって物件の選び方が大きく異なります。
物件を購入する前に、どのような目的やゴールを設定するのかを明確にしておきましょう。
3-2. 余裕金がないもしくは少ない
不動産投資で失敗してしまう人の共通点の二つ目は、余裕金がないもしくは少ないケースです。
安定的な家賃収入を得るためには、空室率を抑えて満室経営を目指す必要がありますが、思い通りにいかない時に、思わぬ支出が発生したりするからです。もし、空室の期間が続いてしまうと、家賃収入はゼロでありながら、ローンの返済をし続けなければなりません。
余裕金がないと、急な出費があった際にキャッシュフローがマイナスになったり、最悪破産してしまう可能性もあります。
目安ですが、家賃の半年分ほど予備金を用意しておくことをおすすめします。
3-3. 入居者ニーズよりも自分の儲けだけを考える
不動産投資で失敗してしまう人の共通点の三つ目は、入居者ニーズよりも自分の儲けだけを考えてしまう人です。
不動産投資の醍醐味は入居者からの家賃収入です。
「建物が住みやすく綺麗に清掃されているか」「室内の設備に不具合はないか」「エアコンが元からついている方が入居者に喜ばれるのではないか」など、常に入居者目線で物事を考えられる人は成功する傾向にあります。
それとは逆に、自分の儲けのみを追求していると、あまり資金をかけたくないという思いが故に、設備が古いままだったり、クリーニングに手間をかけなかったりすると、入居者がつきにくくなります。
結果的に、入居者のことが考えられている人の物件に自然と人は集まります。
「どうやったら長く住んでもらえるか」「快適かどうか」など、入居者目線で考えて不動産を運用していきましょう。
3-4. 管理会社や仲介会社からの提案に耳を傾けない
不動産投資で失敗してしまう人の共通点の四つ目は、管理会社や仲介会社からの提案に耳を傾けないケースです。
管理会社や仲介会社は、経験もあり現場を知っているため、状況に合わせてオーナーに色々なことを提案します。
たとえば、引っ越し・入居シーズン外に、退去が出てしまい空室になってしまった場合、入居者を確保するのは急務になります。そのような時、場合によっては広告料を1ヵ月分出して、様々な仲介会社に客付け要請をしたほうが早く空室が埋まる可能性が高いです。
そのため、管理会社は「広告料1ヵ月分を使って、入居者募集を訴求しましょう」と提案してくることもあると思います。そんな時に、管理会社からの提案に耳を貸さなかったりしてしまうと、入居者募集する際など対策が遅れたりして空室リスクを高めることになってしまいます。
まずは、不動産業に従事している現場からの提案は、一度耳を傾けてみることで、管理会社とタッグを組み、対策をしていくことが円満、かつ、成功する不動産投資への近道です。
4. 不動産投資に失敗したかもと思ったらすぐに相談する
少しでも「不動産投資に失敗したかも」と思ったら、すぐに信頼できる不動産会社へ相談しましょう。(ワンルーム物件であれば、ワンルーム業者へ。)
信頼できる不動産会社の特徴は、HPがしっかりしていたり、取引実績が載っていたり、会社へ最初に電話をかけた時の対応が良かったりが挙げられるでしょう。
信頼できる不動産会社に出会うことができれば、弁護士を紹介してもらう、制度利用のアドバイスをしてもらう、などの対応をしてもらえるかもしれません。
5. 不動産投資を始める前に成功する人が準備していること
不動産投資で成功している人は、始める前に以下の4つの準備を行っています。
・不動産投資をする目的を決める
・物件は総合的に判断する
・長期的な収支計算をしっかり立てる
・余裕金を作っておく
以下で詳しく見ていきましょう。
5-1. 不動産投資をする目的を決める
不動産投資で成功している人が、始める前にしていることの一つ目は、不動産投資をする「目的」を決めています。
不動産投資は目的によって選ぶ物件が異なってくるため、目的をまず先にに決めておくことが大事です。
「安定した不労所得を得たい」「物件の値上がり益で大きく儲けたい」以外にも、「不動産投資で生計を立てたい」と考えている人もいることでしょう。しかし、不動産投資で生計をたてるためには、ワンルーム1戸のみでは難しいです。そのため部屋数を複数持つことや、一棟を所有することを検討する必要があるでしょう。
不動産投資は、目的によって物件の選びかたが異なるため、事前にしっかり目的を立てるようにしましょう。
5-2. 物件は総合的に判断する
不動産投資で成功している人が、始める前にしていることの二つ目は、「物件を総合的に判断している」ことです。
つまり、利回りだけに注目するのではなく、「空室になりにくそうかどうか」「数十年後も入居者がつきそうかどうか」など、様々な角度から検討します。
空室になりにくい物件とは、商業施設などが近くにあり、交通の便がよく、人口増加エリアであるところが挙げられます。
どんな時代でも、駅から近い物件は利便性が良く、入居者から好まれ、多少築年数が古くても、需要があります。
このように物件は何か一つの指標ではなく、総合的に判断するようにしましょう。
5-3. 長期的な収支計算をしっかり立てる
不動産投資で成功している人が、始める前にしていることの三つ目は、長期的な収支計画をしっかり立てていることです。
具体的には、物件をある程度絞り込んで、不動産会社の収支シミュレーションなどを活用してみるのもいいでしょう。シミュレーションを立てる上で重要なポイントは、「稼働率」と「ランニングコスト」です。
稼働率とは、年間を通しての入居率のことです。不動産投資では、常に満室経営を目指すことは難しく、シミュレーションで稼働率100%で計算してしまうと、収支計画の精度が落ちてしまいます。同条件の物件の稼働率などを調べて、シミュレーションをしてみるといいでしょう。
ランニングコストは、不動産を保有している間に発生し続けるコストです。
・固定資産税・都市計画税
・管理費・修繕積立金
上記のランニングコストは、物件選定の際に不動産会社から試算シミュレーションを作成してもらいましょう。
5-5. 余裕金を作っておく
不動産投資で成功している人が、始める前にしていることの四つ目は、余裕金を作っておくことです。
不動産投資をする前に、余裕金として家賃の半年分くらいのお金を確保しておきましょう。
なぜなら、不動産投資を行うと、空室になるリスクや税金の支払いなど、様々な支出が発生するため、事前に余裕金を作っておくことで慌てずに対処できるからです。
特に空室になってしまった時は、家賃収入がゼロになり、ランニングコストだけが発生してしまいます。多額のローンを組んで、返済ができなくなるリスクもあり、最悪の場合自己破産をしてしまうかもしれません。
どのような状況になっても対応できるように、余裕金は家賃の半年分は用意しておきましょう。
まとめ
不動産投資は多くの場合、長期で多額のローンを組むため、誰しも失敗は避けたいところです。
そのためには、失敗例から学ぶということも大切でしょう。
不動産投資で失敗するには、必ず以下のような特徴があります。
・不動産投資を行う明確な目的を設定していなかった
・利回りだけ見て物件を選んでしまった
・長期的な収支計画が甘かった
・予想外の出費が重なってしまった
しっかりとした目的や計画性が成功する鍵を握ります。
それらを踏まえて不足のない準備をすることができれば、不動産投資で成功することはできるはずです。
失敗例から学び、不動産投資を成功に導けるようにしていきましょう。
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