最近の投資手法として人気なソーシャルレンディング。
投資家の中で、ここ1~2年の間で新たな投資としてブームになっています。
「最近よく目にするし始めてみたいけれど、始める前にまずリスクを知っておきたい・・・」
そう思って、あなたはこの記事にたどり着いたのではないでしょうか?
結論、ソーシャルレンディングで最も注意しなければならないのは「貸し倒れリスク」です。
「投資したお金が全額、もしくは、一部が返って来ない!」という最悪な事態になる前に、何としてでも避けなければなりません。
しかし、率直にいうと、実際には、ソーシャルレンディング会社の中でも、貸し倒れを過去に起こしている会社もあり、今後もそのリスクがゼロになるとは保証できません。
そこで、リスクを十分理解した上で、リスクが低い案件や会社を選び、できる限り安全に運用していくことで、損することを限りなくゼロに近づけることが大切です。
この記事を読み終わる頃には、以下のことが分かるようになります。
・ソーシャルレンディングに付随するリスクがどういうものか分かる
・ソーシャルレンディングで極力損をしないためにするべきことが分かる
・何を基準にソーシャルレンディング会社を選べばいいか分かる
それでは、投資初心者の方向けに、まずは、ソーシャルレンディングの前提基礎知識から見てきましょう。ある程度、知識がある方は、1章から読み進めていただいても大丈夫です。
目次
ソーシャルレンディングの前提基礎知識
ソーシャルレンディングとは、ソーシャルレンディング会社が投資家から集めたお金を、お金を借りたい会社(借り手)へ融資し、返済時の利息を投資家へ配当とするサービスです。
そして、1章でリスクの話をする前に、まず、前提として以下のことを頭に入れておきましょう。
以下のことは、ソーシャルレンディングに限らず、基本的にどの投資にも言えることです。(例外は存在します)
・元本保証はない
・会社倒産リスク
・運用期間中の資金取り出しは原則出来ない
それでは、本題のソーシャルレンディングで挙げられる3大リスクを具体的に解説していきます。
1.ソーシャルレンディングで挙げられる3つのリスク
1-1.最も注意するべきは貸し倒れリスク
最も注意するべきリスクは、貸し倒れリスクです。
貸し倒れリスクとは、借り手企業が返済不能になり、利息どころか、投資したお金が返って来ないリスクのことをいいます。
貸し倒れになると、投資したお金全額、もしくは一部が戻って来なくなるため、投資家にとって最も避けるべきリスクです。
貸し倒れリスクを避けるには、以下を実行しましょう。
・貸し倒れリスクが高い海外事業向け高利回り案件への投資は避ける
・実績のある会社を選ぶ
・比較的リスクを抑えた不動産担保付き案件を選ぶ
・6ヵ月以内の短期運用案件を選ぶ
詳しくは、2章で説明していきます。
1-2. 運用期間が「1年以上」は市況変動が高まるリスク
運用期間が1年以上だと、市況変動リスクが高まります。
市況変動リスクとは、世の中の情勢が変化し、景気が下がったりするなどのリスクです。
たとえば、投資した時期よりも景気が悪化した場合、企業の業績が悪化する可能性があります。企業の業績が悪化すると返済が難しくなり、結果として、返済不能に陥ってしまう可能性がでてきます。
運用期間は、基本的には、1年未満が短期、1年以上が長期と言われています。
投資初心者はなるべく市況変動が起こる前に、まずは短期での運用をおすすめします。
1-3.運用期間中は原則、資金が引き出せないリスク
運用期間中は原則、資金が引き出せないリスクがあります。
基本的に、ソーシャルレンディングや不動産投資クラウドファンディングなどの投資サービスでは、運用期間中のお金の引き出しは、原則できません。
そのため、急に手元にお金が必要になった際に、お金を引き出せないリスクがあります。
資金が引き出せないリスクを避けるためには、生活資金や貯金などの必要資金を省いたあとの、「余剰資金」で投資を行ないましょう。
2.ソーシャルレンディングで損をしないためにするべきこと5選
2-1.大前提、生活資金では投資をしない
1-3でも軽く触れましたが、大前提、生活資金での投資は絶対にやめましょう。
投資をする時点で、お金を使う予定がなくとも、数ヶ月先に急にまとまったお金が必要になるかも知れないからです。
趣味にお金を使いたくなったりするかもしれないですし、急に結婚式にお呼ばれするかもしれません。はたまた、運動中に怪我をして急な入院になる可能性もあります。何が起こるかわからないので、生活資金での投資は絶対にやめておきましょう。
投資する際のスタンスとしては、「最悪、戻って来なくても痛くないくらいの金額」にしておきましょう。
2-2. 実績・信用がある会社を選ぶ
実績や信用のある会社を選びましょう。
何をもって「実績・信用がある」と言えるか、主に以下が挙げられます。
・過去に貸し倒れがない、もしくは、膨大な取扱件数のうちの貸し倒れは数件のみ
・過去に貸し倒れがあったとしても対応力がある
・担保設定を積極的にしている
・借り手の情報開示を積極的にしている
・過去に貸し倒れがない、もしくは、膨大な取扱件数のうちの貸し倒れは数件のみ
まずは、過去に貸し倒れがない企業を選びましょう。
貸し倒れを起こした企業は、貸し倒れを起こしてしまう企業を審査通過させてしまったということもあり得ます。そのため、一度貸し倒れを起こしてしまった企業だと、審査基準などを改善していない場合、再び貸し倒れを起こしてしまう可能性があるからです。
また、取り扱い件数が膨大(100件以上)な企業であれば、貸し倒れが数件起きていたとしても、逆を言えば、残りの大多数の案件は無事に運用できていると言えます。
・過去に貸し倒れがあったとしても対応力がある
過去に貸し倒れを起こしてしまっていたとしても、迅速な対応や、資金の回収力など、企業としての対応力があれば、安心できます。
たとえば、貸し倒れを起こしてしまったソーシャルレンディング会社の中でも、数ヶ月経っても投資家への対応がなかった企業がある中、貸し倒れが発覚してから3週間で貸付債権の一部を回収するという、起きてしまった事故に対してとても迅速な対応を行なう企業もあります。
そのため、対応力のある企業を選びましょう。
ソーシャルレンディング会社のサイトから、過去実績で貸し倒れが発生している案件があれば、直接ソーシャルレンディング会社へ「どのくらい回収できたか」「回収にはどのくらいの時間がかかったか」など聞いてみるのもいいでしょう。
・担保設定を積極的にしている
担保が無いより、担保が有るほうが安全に資産運用が行なえます。
担保設定の有無を確認して、担保設定がある会社・案件を選びましょう。
・借り手の情報開示を積極的にしている
借り手の情報開示を積極的にしている企業は信用できると言えます。
ソーシャルレンディングでは、借り手企業はもともと“匿名化”されていました。しかし、匿名化を逆手に取り、悪用する事業者がいたため、近年、金融庁によって、借り手の匿名化解除に関する公式見解が公表されました。これにより、ソーシャルレンディング事業者は、借り手企業を公表することができるようになりました。
借り手企業が公開されることによって、投資家は本当に投資する価値があるかどうか、自身の目で確認でき、判断することができます。
そのため、積極的に借り手企業を公開している企業は信用できると言えます。
2-3. 投資初心者は高利回り(8%以上)案件は避ける
投資初心者は、高利回り案件は避けましょう。
高利回りであるということは、貸付している金利は「投資家に配当となる利回り」よりももっと高い(金利)ということを示しています。つまり、高利回りであればあるほど、借り手企業が返済しなければならない金額は大きくなり、返済不能になるリスクが高くなります。
このような理由から、投資初心者は、高利回り案件はハイリスクであるが故に、避けたほうが安全と言えるでしょう。
どうしても、高利回り案件に投資をしてみたい場合は、
・最悪戻って来なかったとしても困らない額での投資
・短期での投資(目安6ヵ月以内)
で検討してみるとよいでしょう。
高利回り=金利がかなり高く、長期間での運用になると、借り手企業の返済がひっ迫してしまう可能性があるため、短期の運用をおすすめします。
2-4. 初心者は短期運用案件(6ヵ月以内)を選ぶ
初心者は、短期運用案件を選ぶことをおすすめします。短期運用のほうが、長期運用に比べて、リスクが低いからです。
短期とは、一般的に、運用期間が6ヵ月以内くらいのことを言います。
長期とは、一般的に、運用期間が1年以上のことを言います。
長期運用だと、1年、2年先の市況を見越して投資先を慎重に審査しなければなりません。投資した時点から1年後、2年後に市況が変化し、仮に景気が悪くなった場合、借り手企業の業績が悪化し、返済できなくなるリスクが生じる可能性や、担保にしていた不動産の価格が暴落したり、というリスクが生じる可能性があります。
また、短期運用であれば、資金拘束の時間も長期運用と比べると期間が短くなるため、万が一、急にお金が必要になったときでも、回収しやすくなります。
市況リスクや資金拘束期間を考えると、投資初心者は短期運用案件を選ぶことをおすすめします。
2-5.不動産担保付きの案件を選ぶ
担保がない案件よりも、担保がある案件のほうがリスクを抑えられます。
さらに、担保の中でも、最も代表的で堅実なのが「不動産」です。
不動産担保は、抵当権があるため、仮に債務者が債務不履行になった場合でも、抵当権を実行して弁済を受けることができます。
抵当権でも、登記されている順番によって、弁済される順番、額が異なるので、リスクをさらに抑えるためには、第一抵当権が設定されている案件を選ぶことをおすすめします。
コラム ~LTVとは?~
LTV(Loan To Value)とは、担保の価値・安全性を測る指標のことを指します。
担保に価値が無ければ、元本を回収することは難しくなります。LTVが小さければ小さいほど、万が一、債務不履行になった際にも、元本を回収できる確率が高くなるため、安全性が高いと言えます。
LTVは、一般的に以下の計算式で求めることができます。
ソーシャルレンディングで投資する際は、LTVも確認してみることをおすすめします。
3.ソーシャルレンディングよりリスクが低い不動産投資クラウドファンディング
ここまで、ソーシャルレンディングの説明をしてきましたが、実はソーシャルレンディングと似た、「不動産投資クラウドファンディング」という投資型クラウドファンディングがあることはご存じでしょうか?
ソーシャルレンディングとの主な違いは、投資先です。
ソーシャルレンディングでは、お金を借りたい企業にお金を貸付け、「返済時の利息」を投資家へ配当します。
一方、不動産投資クラウドファンディングでは、投資家から集めたお金を現物不動産取得に使用し、事業者が不動産を運用して得た「賃料収入や売却益」を投資家に配当します。
不動産投資クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いでは、優先劣後構造という「投資家の損失を一定負担する」仕組みを採用しています。
この仕組みがあることで、リスクが軽減されます。
優先劣後について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
投資初心者でも分かる!優先劣後とは?図解説付き【保存版】
ここ1、2年でソーシャルレンディングと並んで人気な不動産クラウドファンディング。
その中でもおすすめの1社をご紹介します。
【利回り8%!】パートナーズファンディング
PARTNERS Fundingの運営会社、株式会社パートナーズは、資産運用の総合アドバイジングカンパニーです。ベストベンチャー100にも5年連続で選ばれています。
2011年の創業以来、9期連続増収増益と財務状況も絶好調で、今勢いに乗っている企業です。
過去に支払い遅延やデフォルトが起きたプロジェクトはなく、最低出資額は1万円と、気軽に投資できるようになっています。
株式会社パートナーズは、もともと物件仕入れ専門の会社だったため、適正価格での仕入れを得意としています。そのため、このような高い利回りを出せる収益性の高い物件を常に仕入れています。
今までリリースされた案件はすべて想定利回りが8%となっており、相場の4%~5%と比べても、高利回りが期待できます。
また、PARTNERS Fundingの公式Twitterやニュースを見ると、2020年7月14日現在で運用終了したファンドは全て確定利回り8%(年利)での配当を完了しています。
また、利回りだけでなく、元本割れ対策にもしっかりと目を向けています。
優先劣後構造を取り入れており、劣後出資比率は30%と業界最高水準です。
投資家にとってのリスクは限りなく低く抑えられています。
したがって、初心者の方や、安全に高利回りを得たい人にはおすすめのサイトです。
まとめ
ソーシャルレンディングの3大リスク
・貸し倒れリスク
・運用期間が1年以上は市況変動が高まるリスク
・運用期間中は原則、資金が引き出せないリスク
ソーシャルレンディングで損をしないためにするべきこと5選
・大前提、生活資金では投資をしない
・ 実績がある会社を選ぶ
・ 投資初心者は高利回り(8%以上)案件は避ける
・初心者は短期運用案件(6ヵ月以内)を選ぶ
・不動産担保付きの案件を選ぶ
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