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自己資金は購入価格の2割!物件の種類ごとに紹介
一言に不動産投資といっても、投資対象によってさまざまな種類があります。どのジャンルの物件に投資をするのかで、初期投資の額や期待できるリターンが大幅に変わるため、理想とする投資スタイルにマッチした物件を選ぶことが大切です。ここでは、不動産投資の対象物件について3つのジャンルを紹介します。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
戸建て
戸建ての物件投資の場合、一軒家を購入して貸し出します。物件価格は立地によってさまざまです。都心や駅から近いなどの交通の便が良い立地の場合は、数千万円から1億円の戸建て物件が多くあります。やや都心から離れた郊外の戸建ては、1,000万円から5,000万円あたりが相場になります。駅から離れている物件や地方の物件の場合、数百万円で手に入る戸建て物件も存在します。戸建て物件は、土地の利便性や地域によって価格が大きく左右されることをおさえておきましょう。戸建てに投資する場合、借り手がファミリー層に限定されてしまうため、入居者が見つかりにくいという側面もあります。
一棟もののマンション
アパートやマンションなどの建物と土地を合わせて購入するため、購入価格も高くなります。築年数によるものの、古いアパートであっても2,000万円から5,000万円ほどの価格が相場です。マンションであれば、3階建て程度の小型の物件でも5,000万円から数億円の購入価格になるでしょう。一棟まるごと購入するメリットは、部屋数が多いため戸建てや区分マンション投資に比べて多くの家賃収入を見込めます。初期投資が高額になる分大きなリターンを期待できる投資対象です。自己資金は最低でも物件価格の2割は確保しておきましょう。数十年スケールでの投資になるため、立地や将来の地価の変動についてもじっくり考える必要があります。
区分マンション
区分マンション投資は、建物の中から1部屋だけを購入して入居者に貸し出す投資方法です。区分マンション投資は一棟もののマンションに投資するよりも低額予算で始められます。立地や築年数によって上下はするものの、低額物件であれば500万円前後、高額物件であれば1,000万円から4,000万円ほどが相場です。1,000万円から2,000万円程度が平均的な物件の相場になります。なお、アパートは一部屋だけを購入することはできないため、区分投資はできません。
サラリーマンと自営業者の不動産投資にかかる費用の違い
不動産投資を始めるためには、金融機関からの融資を受けるのが一般的な方法になります。実は、サラリーマンと自営業者の間には不動産投資の始めやすさにギャップがあります。結論からいうと、サラリーマンの方が融資を受けやすく不動産投資がやりやすいといえます。それぞれの立場を取り巻く融資の事情について解説します。
サラリーマン
サラリーマンの方が不動産投資を始める場合、全額自己負担は現実的ではありません。そのため、金融機関で不動産投資ローンを組むことになるでしょう。不動産を投資目的で購入する場合は、住宅ローンは利用できないので注意が必要です。ローンを組むにあたって、物件価格の10%を頭金として準備することが一般的です。例を挙げると、2,500万円のワンルームマンションのローンを組むのであれば、頭金として2,500万円×10%=250万円が必要になります。物件購入にかかる費用は頭金だけではありません。手数料や初期費用が頭金とは別に発生し、その総額の目安は物件価格の5%前後になります。先ほどの2,500万円のワンルームマンションを購入する例で考えると、2,500万円×5%=125万円かかる計算です。つまり、頭金と初期費用を合わせて250万円+125万円=375万円かかる計算になります。また、不動産会社が仲介する場合は物件価格に応じた仲介手数料が発生することも忘れてはいけません。
自営業者
自営業者の場合、サラリーマンとよりも収入の安定性が低く見積もられてしまうのが、不動産投資において不利な点です。そのため、仮に高収入なサラリーマンと同じ程度の収入があったとしても自営業者の場合は融資を受けるのが難しくなる傾向があります。とはいえ、不動産投資の実績によって自営業でも十分な融資を受けられることもあります。自己資金で低額物件を購入し不動産投資の実績を積むことは、融資審査においてプラスに働きます。融資を受けられないのであれば、1,000万円以下の低額物件から実績を積み上げていくことをオススメします。
不動産投資を小額でも始められる理由3つ
ここでは、不動産投資において自己資金が少額でも始めやすい理由について解説します。物件の購入は大きな額の投資ではありますが、金融機関から融資を受けることで少ない元手で始められます。不動産投資のメリットともいえる運用の安定性について詳しく見ていきましょう。
1.不動産投資は一定の収益が確保できるから
不動産投資は株やFXと比較して収益性が安定している投資方法になります。自己資金が少なくても入居者さえ見つかれば、物件から毎月の定額収入が見込めます。収益性が高く大きな失敗をするリスクも小さいため、自己資金が少なくても金融機関の融資が受けられるのです。数ある投資の中でも、不動産投資は安定性が高い特徴があります。
2.物件の値上がりが期待できるから
土地ごと購入する戸建て投資や一棟もののマンション投資の場合、資産価値の上昇を見込めます。建物自体は、経年劣化によって徐々に価値が下落していくのは仕方がないことではあります。一方、土地は経年劣化することはありません。むしろ物件を購入した土地に人口増などがあれば、需要が高まり地価の上昇も期待できます。将来的な需要が見込める不動産であれば、金融機関も融資を積極的に検討してくれます。
3.物件を担保にできるから
不動産投資の強みは物件を担保にできる点です。株やFXの場合、相場で投資資金を溶かしてしまうと回収することはできません。一方、不動産投資の場合は万が一物件の運用に失敗したとしても物件自体がなくなることはないため、金銭的価値は保たれます。投資対象である物件そのものを担保に入れられる不動産投資は、リスクの低い投資だといえます。
初期費用と頭金の違い
ここでは、初期費用と頭金の違いについて紹介します。不動産投資を始めると、最初にさまざまな経費が発生します。そのため、頭金や初期費用などの諸々の経費について知っておくことは大切です。
頭金
頭金とは、融資を受ける際に最初にキャッシュで支払うお金のことです。返済額に比べて頭金の割合が大きければ大きいほど、月々の返済額を安く抑えられるため、毎月のキャッシュフローに余裕が生まれます。また、頭金を多く準備できれば金利を低く設定する優遇措置を受けられる可能性もあるので、条件については金融機関に確認しておきましょう。
初期費用
初期費用は大きく分けて、手数料と保険料と税金の3つになります。これら3つの要素について理解しておくことは、不動産投資における基本です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
手数料
不動産購入時にかかる手数料は大きく分けて3つあります。1つ目は不動産仲介業者へ仲介手数料です。最近は不動産投資の専門会社が仲介手数料をとらないサービスを提供している場合もあるものの、一般的ではありません。2つ目は司法書士に支払う手数料です。物件の登記や取引の立ち会い、抵当権設定などの諸々の手続きの報酬が発生します。3つ目はローン事務手数料です。金融機関に支払う手数料でローンを設定する際に発生します。
保険料
物件を購入したら、地震保険や火災保険に加入しましょう。地震保険は火災保険の30~50%の範囲内で決定することになります。それに加えてローン保証料は万が一返済できなくなったときに備えるためのものです。一括で支払う場合は、一般的な物件であれば数十万円程度になります。
税金
初期費用で支払う必要がある税金は印紙税です。印紙税は課税文書に対して課される税金になります。課税文書に該当するのは売買契約書や金銭消費貸借契約書などです。税額は記載されている金額によって変わり、収入印紙を購入して納付します。購入後に発生する税金としては不動産所得税があります。地方税の1つで、購入から数か月から数年を目処に納税通知書が届くため、それに沿って納税しましょう。
自己資金を抑えるのに適した物件の条件3選
自己資金を抑えるための最大のポイントは金融機関から融資を受けられるかどうかです。つまり、自己資金を抑えるためには金融機関からの融資が受けられるような物件を選ぶ必要があるのです。ここでは、金融機関が融資しやすくなる優良物件の特徴を3つ紹介します。
1.地価の値上がりが期待できる物件
将来的に地価の値上がりが予想される地域の物件への投資は自己資金を抑えやすくなります。理由は、将来性のある物件は金融機関が積極的に融資してくれる可能性が高いからです。金融機関は不動産を担保に抵当権を設定するため、万が一返済が滞っても抵当に入れた不動産を売却することでお金を回収できます。その時に資産価値が下落しそうな物件よりも、今後の値上がりが期待される物件の方が金融機関としても安心して融資できるのです。値上がりが期待できる物件は、不動産投資家のみならず金融機関にとってもメリットのある投資対象になります。
2.空室が起こりにくい物件
不動産投資に欠かせないのは毎月の家賃を支払ってくれる入居者です。入居者がいなければ、初期投資やローンを回収できず投資として成り立たなくってしまいます。そのため、空室が起こりにくい物件を選ぶことも、不動産投資で成功する上で欠かせないポイントです。賃貸需要が高い物件であれば金融機関の融資が受けやすくなります。
3.品質の高い物件
物件の品質の高さも金融機関が融資する際に気をつけるポイントになります。既に築年数が経っている物件や訳あり物件の場合、その物件の賃貸需要が継続するかは疑問がのこります。経年劣化で居住環境が悪化する可能性がある場合は、長期間貸し出し続けることは難しくなるでしょう。金融機関にとっても賃貸需要がさがりそうな物件はリスクです。不動産投資にとっても金融機関にとってもリスクが小さい物件は同じです。できる限り品質が高く家賃需要が下がりにくい物件に投資するようにしましょう。
小額で不動産投資をする上で押さえるべきポイント3選
少額で不動産投資を始める方法を紹介します。不動産投資にかかる費用はできるだけ抑えるための、対策をさまざまな視点から解説します。
1.物件購入時の諸費用を抑える
物件購入時にかかる諸々の費用を抑えることは、少額で不動産投資を始める上で欠かせないポイントです。初期費用を抑えて、頭金の割合を増やすのが物件運用時のキャシュフローを高めるために効果を発揮します。抑える費用の具体例としては、仲介手数料と司法書士の報酬です。仲介手数料に関しては、売主が個人の場合にのみ発生し、売主が不動産会社である場合は発生しません。つまり、売主が不動産会社の物件を購入することで仲介手数料を省けます。司法書士の報酬に関しては、できるだけ安く請け負ってくれる司法書士に依頼することをオススメします。
2.個人属性を高めておく
個人属性とは、収入が高い職業に就いている、役職者であるなど、個人が有しているステータスです。金融機関は支払い能力がある人に融資したいため、収入が高く安定している人の方が融資を受けやすくなります。ローン審査が通りやすくなる年収の目安は500万円以上となるため、700万円以上の年収があれば高い属性にいると判断されるでしょう。
3.実物投資とは違う方法を選ぶ
不動産投資には実物投資以外にもクラウドファンディングや不動産投資信託、不動産小口商品などが挙げられます。これらの投資は直接物件を購入する必要がないため、低予算で不動産投資に取り組むことが可能です。実物資産への投資はできないけれど、不動産投資にチャレンジしてみたいという方にオススメの投資方法です。
小額でできる不動産投資
不動産投資には、物件そのものを購入するのではなく、多数の投資家が資金を出し合って運営する方法も存在します。これらは全額物件を購入する必要がないため、実物投資よりも低予算での投資が可能です。ここでは少額不動産投資を3つ紹介します。
不動産クラウドファンディング【1万円から】
不動産クラウドファンディングとは、物件への投資をプロジェクトとして投資家からお金を集める仕組みです。ファンドは投資家から集めて資金で不動産投資をして、発生した家賃収入や売却益を投資家に分配します。約2%から6%の利回りが期待でき、1万円から数万円という小規模の投資が可能です。一般的には2年程度の運用期間になります。
不動産投資信託【5~70万円】
不動産投資信託はREITとも呼ばれ、証券取引所で販売されている金融商品になります。1口あたり5万円からで不動産クラウドファンディングよりは高額ではあるものの、不動産投資としてはかなり低額で取り組める投資方法です。一般的な利回りとしては3~4%程度になります。
不動産小口化商品【100万円】
不動産小口化商品とは物件を一口100万円程度に小口化することで、複数の投資家に出資してもらう投資方法です。投資家は出資額に応じて得られた利益の分配金を受け取れます。投資家のメリットとしては、不動産の維持管理の手間がかからない点になります。また、不動産を所有しているのと同じ扱いになるため相続税対策としても利用できるのも魅力の1つです。
小額不動産投資をする上での注意点3つ
不動産投資をする上での注意点を3つ紹介します。気をつけるべきポイントをおさえておくことで、現実的なプランで不動産投資を行えます。年収や貯金について、また低価格物件の危険性について詳しく見ていきましょう。
年収をベースに計算される融資額
不動産投資をする上で融資額は物件の選択肢にも関わるため非常に重要です。融資額は年収をベースに計算され、年収500万円以上の上場企業勤務かつ3年以上勤務していることなどは判断基準としても有名でしょう。高い融資を取り付けることもさることながら、優良物件を見極める目も大切になります。もちろん優良物件の場合は投資額が高くなるので、高額融資を受けられた方が有利に運用できる可能性が高まります。
準備しておくと安心な貯金額
結論、貯金は100万円から300万円準備しておくとよいでしょう。もちろんそれ以上あるに超したことはありませんが、不動産投資を始めるにあたって最低ラインの金額になります。不動産投資で発生するリスクとしては、空室が長引くことや設備故障による突然の出費などが挙げられます。
低価格物件の落とし穴
低価格物件には低価格である理由があります。例えば、立地が悪いことや老朽化が激しいなどの持ち主が低価格でもよいから手放そうとしている意図が読み取れるでしょう。つまり、物件を購入したはいいものの入居者がつかなったりリフォームに初期費用がかかったりする可能性があるのです。安いからといって得をするとは限らないのが、不動産投資の難しいポイントでもあります。低価格物件で成功している例はあるものの、それが可能になるのは物件を見る目を持っていないと難しいのが現実です。リスクとリターンのバランスを考えた上で投資する物件を決めましょう。
不動産投資はいくらかでも始められる!無理のない金額から始めよう
実物資産の不動産投資は株やFXに比べて高額な投資方法になりますが、不動産クラウドファンディングなどの少額投資も存在します。実物資産への投資であっても貯金100万円から300万円程度あれば、金融機関から融資を受けられれば不動産投資は可能です。とはいえ、いきなり実物資産への投資が不安であれば不動産クラウドファンディングやREITなどの少額投資をオススメします。一般的な所得であっても投資に取り組みやすい環境は整ってきています。興味のある方は、リスクを極限まで抑えた少額投資から始めるとよいでしょう。
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