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不動産投資で初心者が失敗しないコツとは
不動産投資は数ある投資のなかでも、ある程度大きな金額を動かす必要があります。また、物件の運用には不動産の知識や利益の計算などが必要となるので、新規参入のハードルを高く感じる方もいます。ここでは、初心者が不動産投資で失敗しないためにおさえておくべきコツをご紹介します。
投資のスタートは勉強から
投資を始めるときに必要となるのが、投資方法に対する勉強です。闇雲に投資対象に対して資金を投入するのでは、単なるギャンブルに過ぎず投資とは呼べません。特に不動産投資で利益を出すには、利回りや運用経費の計算は避けて通れず、キャッシュフロー、リスク管理なども理解できるまで学ぶ必要があります。不動産投資の理解を深めるには、書籍を読んだり、インターネットの記事や動画で学んだりする方法があります。また、不動産投資会社が開催しているセミナーを利用するのもおすすめの勉強方法です。
自分にあった投資法を選ぶ
不動産投資には、さまざまな種類の投資ジャンルや投資の方法があります。不動産投資の種類ごとにそれぞれメリットとデメリットがあるので、きちんと理解する必要があります。また、自分の資金力や投資のスキルに照らし合わせて、最適な投資ジャンルを選びましょう。不動産投資で儲かるかどうかも大事ですが、それより自分にあっているかどうかで考えたほうが、結果的に利益につながりやすくなります。
信頼できる不動産会社をみつける
不動産投資において、物件を購入する不動産会社は、とても重要な存在です。不動産投資用の物件を扱う不動産会社は数多くあり、それぞれに得意とする物件の種類や投資ジャンルがあります。自分の投資目的や自己資金の割合、ライフスタイルなどと照らし合わせて不動産会社を選びましょう。また、物件の販売だけで終わらずに、その後の維持管理にも携われる会社かどうか、過去の販売物件の入居率なども不動産会社選びの基準になります。不動産の売買や管理に携わる不動産会社と良好な関係を築くことも、不動産投資のコツのひとつです。
丁寧なリサーチは必須
不動産投資で失敗しないためには、所有する物件はもとより周辺環境や人の流れ、競合物件の状況などを細かくリサーチしておく必要があります。また、自分が投資する不動産の市場動向もおさえておき、成長性やトレンドを認識してから実際の投資をスタートさせるべきです。そのうえで、綿密な収支のシミュレーションを重ねれば不動産投資の成功する確率もあがります。
初心者におすすめの不動産投資と運用のコツ
ひとくちに不動産投資といっても、投資物件の大きさによって投資の規模は大きく変わります。また、物件の種類によっても運用方法に違いがあり、その分類は多岐にわたります。不動産投資初心者でも無理なく利益を出せる、代表的な投資の種類を解説します。
区分マンション不動産投資
「区分マンション投資」は、投資用のマンション物件を一部屋など区画単位で購入し、それを貸し出して家賃収入を得る不動産投資です。物件をまるごと所有するわけではないので、比較的低予算でも始められ、不動産投資初心者やサラリーマンにも向いている投資です。また、複数の地域や条件が違う物件を所有して、分散投資の効果を狙うことも可能。区分マンション投資であれば、物件管理をマンションの管理会社がやってくれるので、管理・修繕の手間があまりかからないのも魅力のひとつです。
区分マンション不動産投資の始め方
区分マンション不動産投資に必要な自己資金は、物件価格の3割前後が目安となります。例えば販売価格が1500万円のワンルームマンションであれば400万円程度の自己資金を準備して、残りはローンを組めば購入が可能です。不動産投資用のローンは、通常の住宅ローンとは異なります。ローンなので当然審査はありますが、本人の信用力と物件の収益力が審査の基準になります。
区分マンション不動産投資のコツ
区分マンション不動産投資は、初心者でも比較的取り組みやすい不動産投資ですが、さらにリスクを減らすことで安定した運用が可能になります。区分マンション不動産投資では、空室リスクの低い都心部の設備が充実した物件を選ぶとよいでしょう。さらに、入居者の審査をしっかりおこなうことで安心して部屋を貸し出せます。
戸建て住宅不動産投資
「戸建住宅不動産投資」とは戸建物件を建てるか購入し、賃貸物件として貸し出して家賃収入を得る不動産投資です。戸建住宅の不動産投資は、アパートなどの一棟不動産投資よりは初期費用を抑えられるので、比較的少ない資金からでも始めやすい不動産投資の方法です。
戸建て住宅不動産投資の始め方
戸建て住宅不動産投資に使われる戸建住宅は、地方の物件であれば2,000万円以内で購入が可能です。中には500万円以下の物件もありますが、購入価格が低い物件は修繕やリフォームにかかるコストが高くなります。戸建て住宅不動産投資では、修繕費用や売却時の価格も考慮しながら物件を選ぶとよいでしょう。
戸建て住宅不動産投資のコツ
戸建住宅の不動産投資は区分マンション投資と比較すると、リフォームや維持管理の手間がかかります。特に木造住宅は定期的なメンテナンスが必要になるので、メンテナンスにかかる費用をしっかり計算にいれておく必要があります。
一棟アパート不動産投資
「一棟アパート不動産投資」はアパート物件を一棟まるごと購入するか、新しくアパートを建築して家賃収入を得る不動産投資です。一棟アパート不動産投資は区分マンション不動産投資よりも費用がかかりますが、そのぶん運用できる部屋数が多く、利益率が高い傾向にあります。また、減価償却費を大きくとれるので、所得税や住民税の節税効果も高くなります。一棟アパート不動産投資は利回りと付加価値がともに大きく、初心者からベテランまで幅広く取り組める不動産投資です。
一棟アパート不動産投資の始め方
一棟アパートの不動産投資は、建物一棟単位が投資対象となるので、区分マンション不動産投資よりも多くの元手がかかります。一棟アパートの購入金額は、立地条件や新築・中古で変わってきますが、3,000万円前後で売られていることが多く、ローンを組めばサラリーマンでも購入が可能。さらに、不動産会社の提携金融機関を利用できれば好条件でローンを組める場合があります。
一棟アパート不動産投資のコツ
一棟アパート不動産投資では、綿密な収支計画が必要となります。とくに修繕費やリフォーム代、管理費用などはしっかりと予測しておきましょう。自分で計算するのが難しければ、不動産コンサルタントなどの専門家を頼ることも視野にいれます。アパートの維持管理をしっかりとおこない空室を減らすことが、一棟アパート不動産投資を成功に導く根幹となります。
初心者におすすめ!手持ち物件で始める不動産投資
マンション・アパートや戸建て住宅など、投資用の不動産の入手には大きな金額が必要となります。しかし、すでに土地や建物を所有しているなら、物件の購入費用を抑えて不動産投資を始められます。空いている土地や住む人がいない家など、手持ちの物件を有効活用できる不動産投資をご紹介します。
駐車場・コインパーキングの不動産投資
「駐車場・コインパーキングの不動産投資」は、土地活用の一環として広くおこなわれている不動産投資です。駐車場やコインパーキングは不動産に対する知識があまり必要なく、比較的少ない資金でも始められます。駐車場の運営には大別すると、時間貸のコインパーキングと月額料金の月極駐車場があります。どちらがよいかは立地条件にも左右されるので一概にいえませんが、駐車場の運営はあまり時間や労力が必要とならず、土地さえ用意できれば職業や年齢を問わず誰でも取り組める不動産投資です。
駐車場・コインパーキングの不動産投資の始め方
駐車場・コインパーキングの不動産投資には、運営管理を事業者に委託する「一括借り上げサブリース方式」と、「自主運営方式」があります。運用する土地や施設の規模、ライフスタイルなどにあわせて、適切な運営方式を選択できます。駐車場・コインパーキングの不動産投資の初期費用は、サブリース方式であれば運営会社が負担する場合がほとんどですが、そのぶん管理費用の割合は大きくなります。自主運営での初期費用は、駐車場の設備や台数で大きく変わりますが、100坪の土地で10台程度のコインパーキングなら初期費用はおよそ300万円程度必要となります。
駐車場・コインパーキングの不動産投資のコツ
駐車場・コインパーキングの不動産投資では、空いたスペースにドリンクの自動販売機などを設置して、さらに副収入を得られます。しかし、駐車場や自販機には売上金の盗難や車上荒らしなど犯罪被害のリスクもあります。犯罪被害を未然に防ぐにはカメラの設置など、明確にアピールできるセキュリティ対策をたてる必要があります。
トランクルーム不動産投資
「トランクルーム」とは、屋外コンテナや建物内をパーテーションで区切り、物品の保管場所として提供したものです。トランクルームは、自宅の収納に 収まりきらないものや趣味の道具、企業の書類などの保管場所として近年利用者が増加傾向にあります。トランクルームの運用は比較的簡単に始められ、コストもあまりかからないため、初心者でも取り組める不動産投資として注目を集めています。
トランクルーム不動産投資の始め方
トランクルームの不動産投資は、大別すると屋外タイプと屋内タイプに分類されます。屋外タイプは、空いている土地にコンテナを設置しトランクルームとして運営します。屋内タイプは、ビルや倉庫などのスペースに仕切を設けてトランクスペースを作ります。トランクルームは、施工業者に頼めば簡単に設置でき、初期費用は屋外タイプでおよそ300~900万円程度、屋内タイプでは200~600万円程度が目安となります。
トランクルーム不動産投資のコツ
トランクルームの不動産投資は、個人で運営することも比較的容易ですが、管理会社に依頼したほうが集客や顧客管理を任せられ手間がかかりません。また、管理を委託すればセキュリティ面も安心して運用できます。管理会社には、トランクルーム専門の管理会社を選ぶこともポイントです。不動産会社で管理を依頼できるケースもありますが、ノウハウ的に専門業者のほうが優れている面が多いので、トランクルームの管理は専門の業者に依頼しましょう。
民泊の不動産投資
近年注目を集めているのが「民泊」を利用した不動産投資です。民泊とは、一軒家やマンションの空室を宿泊施設として貸し出し、利用者からの宿泊料で収入を得ることをさします。民泊は世界的に広まりをみせており、日本にもその波は押し寄せています。民泊は空き物件の有効活用や不動産投資としても、高い利回りが期待できるジャンルのひとつとして注目されています。
民泊の不動産投資の始めかた
民泊を始めるにあたっては最初に物件を決め、民泊に関する法制度を理解しておきましょう。物件に宿泊客を迎え入れる準備として、内装やWi-Fiなどのインターネット環境を整え、寝具や電子レンジ・ドライヤーなどの電化製品、シャンプーや洗面用具、トイレットペーパーなどの消耗品を揃えます。準備が整ったら、「Airbnb」など民泊の仲介サイトに登録して、宿泊客を待つのみです。このように、民泊は始めるまでのハードルが低く、手軽さも魅力の不動産投資です。
民泊の不動産投資のコツ
民泊は、空き家や空き部屋を宿泊客に貸し出すだけなので比較的簡単にスタートできますが、留意しなければならないポイントがいくつかあります。日本で民泊をおこなうには、「民泊新法」にのっとった運営をしなければなりません。民泊新法では民泊に使う建物の条件や、営業日数、管理業者への委託業務などが定められており、これに準拠しない民泊は違法行為となってしまいます。また、民泊では来日観光客の宿泊も多いため、外国人との文化・習慣の違いでトラブルが起きることもあります。部屋には英語のガイドを備え付けたり、近隣への配慮をお願いしたりと、心配りが必要です。
スペースシェアリング型不動産投資
「スペースシェアリング型不動産投資」とは、自宅などの空いているスペースを貸し出して利益を得る投資方法です。使われていない収納や駐車スペースの貸し出し、家屋や部屋など物件の時間貸し、既存店舗前のスポットを貸し出すポップアップストアなどが、スペースシェアリング型の不動産投資に分類されます。
スペースシェアリング型不動産投資の始め方
スペースシェアリング型不動産投資は、インターネットの仲介サービスを利用すると簡単に始められます。スペースシェアリングの仲介サービスは、貸したい人と借りたい人を繋げて仲介料をとるサービスですが、個人で探すよりも圧倒的に早く借り手が見つかる可能性があります。また、仲介サービスのなかには破損時などに補償がつくものもあるので、初心者が安全に運用したい場合にも大きな手助けになります。
スペースシェアリング型不動産投資のコツ
スペースシェアリング型不動産投資は、手持ち物件の空きスペースを有効に活用できる不動産投資です。物件の使用状況や立地などによって運用の範囲は変わりますが、あまり費用をかけずに工夫次第で利益をあげられます。スペースシェアリング型不動産投資は初心者でも取り組みやすいので、ここを不動産投資の入口にするのもおすすめです。
初心者におすすめ!物件を所有しない不動産投資
不動産投資のなかには実際の土地や建物を所有せずに、不動産を運用する投資法も存在します。物件の管理に煩わされることなく利益を得る不動産投資とは、いったいどのような手法なのでしょうか?
証券型不動産投資
物件を持たない不動産投資の代表的なものに「不動産投資信託」があります。通常の投資信託は、株式や債権といった有価証券に対して投資をしますが、不動産投資信託は投資法人が運営する不動産が投資対象となり、「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとって「REIT(リート)」とよばれています。REITはもともとアメリカで発祥した不動産投資の仕組みですが、日本のものは「J-REIT」とよばれ、国内株式市場で売買されています。
証券型不動産投資の始め方
不動産投資信託(REIT)は、投資信託商品として株式市場に上場しています。不動産投資信託を購入するには、証券会社を通して売買する必要があるので、証券会社に口座を開設します。不動産投資信託の購入代金は銘柄によって変わりますが、2万円程度から購入が可能です。また、不動産投資信託には一般の株式と同じように売買手数料がかかり、手数料は証券会社に対して支払うことになります。
証券型不動産投資のコツ
不動産投資信託には単一型と複数型があり、複数の不動産を対象とした複数型を保有すれば分散投資になり、リスクヘッジをとれます。また、不動産投資信託は一般の株式と同じように売買するので、配当金と売却益を得られます。不動産投資信託の利益には、個人投資家では株式と同様の源泉徴収が発生しますが、証券会社でNISA口座を開設すれば上限額までは非課税となります。
クラウドファンディング型不動産投資
「クラウドファンディング型不動産投資」とは、投資物件や物件を含むプロジェクトに対して、クラウドファンディングの形態をとって多数の出資者を募る不動産投資です。クラウドファンディング型不動産投資では居住用のマンション物件をはじめ、ホテルなどの観光物件やヘルスケア施設、それらを含む地域振興プロジェクトなど幅広い案件の中から投資対象を選択できます。実際の物件運用は不動産会社がおこなうために管理に追われることがなく、一口一万円代から投資ができる手軽さもあります。また、多くのクラウドファンディング型不動産投資案件は、物件の価値が下落した場合に不動産会社が先に損失をカバーする「優先劣後方式」を採用しているので、投資家側は元本割れのリスクを最小限に抑えられます。
クラウドファンディング型不動産投資の始め方
クラウドファンディング型不動産投資を始めるには、不動産投資クラウドファンディングサービスのWebサイトに会員登録し、投資専用の口座を開設する必要があります。クラウドファンディングサービスの会員登録や口座の開設は無料で開設でき、維持管理費もかからないことがほとんどです。口座を開設して投資資金を入金したら、クラウドファンディングの案件を選びます。案件選びでは、自分が投資したい案件の最低投資金額や想定利回り、担保の有無などを詳細に確認しましょう。
クラウドファンディング型不動産投資のコツ
クラウドファンディング型不動産投資の運営サイトには、マンション物件が中心のサイトや観光施設が多いものなど、それぞれのサイトの特徴があります。各クラウドファンディングサイトの特徴を把握しておくと、自分の投資したい案件が見つけやすくなります。またクラウドファンディングサービスが保有する投資案件の数や募集金額にも注目しましょう。不動産投資型クラウドファンディングでは、人気案件はすぐに募集が終了してしまう傾向があります。焦って冷静な投資判断ができなくなるといけないので、ゆとりをもって取り組めるように案件が多くあるクラウドファンディングサービスへの登録がおすすめです。
初心者もコツをつかめば不動産投資で成功できる!
不動産投資には、区分マンション投資や一棟アパート投資以外にも土地活用の不動産投資や証券型、クラウドファンディングなどさまざまな投資方法があります。自分にあった不動産投資の方法をみつけ、コツをつかむことで初心者でも利益をあげられるようになります。そのためには日々の学びが決して欠かせません。書籍やセミナー、ウエブ記事や動画などを活用して不動産投資の知識を高めましょう。
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