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クラウドファンディングのやり方!始める前に知っておきたいこと
手軽な資金調達と少額での投資や支援の方法として、多くの方が活用するクラウドファンディング。インターネット環境さえあれば誰でも登録申請できることから市場は広がり、新規事業の立ち上げや投資目的の資産運用など目的も多岐にわたります。起案者・支援者のどちらでやるにせよ、目的と運用規模を明確にしておかなければなりません。中には詐欺まがいの起案者もいるので注意が必要です。始める前にある程度の知識を蓄えておきましょう。
クラウドファンディングとはITを利用した資金調達の方法
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて資金を調達したい起案者と、出資を検討している支援者とを結びつけるサービスです。歴史は古く、17世紀初頭の編集者ジョン・テイラーが印刷費用を募ったことが始まりとされています。アメリカの自由の女神像造営の資金調達にも活用されました。日本に導入されたのは2011年。少額で手軽に参加できることから市場が広がり、災害復興や夢の実現を目指す起案者、金融商品や不動産投資目的の支援者など幅広く活用されています。
クラウドファンディングには3つのタイプがある
クラウドファンディングは金融型・購入型・寄付型の3つのタイプに分かれます。金融型は支援に対し利息や配当が支払われ、購入型は商品がリターンされます。寄付型にはリターンはありませんが、写真や手紙で経過報告がなされます。資産運用や新製品開発の応援、あるいは善意の寄付なり、それぞれの目的に応じたクラウドファンディングを選ぶことが大切です。
金融(投資・融資)型クラウドファンディング
金融型は、投資型あるいは融資型クラウドファンディングとも呼ばれ、出資した支援者が分配金や株式などのリターンを受けられるクラウドファンディングです。金融型クラウドファンディングには、非上場の株主を募集する株式投資型、少額からの投資で資産運用できる融資型や不動産型クラウドファンディングがあります。 とくに不動産型クラウドファンディングの場合、面倒な手続きや管理がなく、1万円からの投資で家賃収入や売却益などのリターンを望めることが人気を集めています。投資物件を選べること、物件を実際に確認できることは大きな魅力です。いずれも、ローリスクで手軽に少額投資できる資産運用の方法として需要が高まっています。
購入型クラウドファンディング
起案者がクラウドファンディングサイトで新商品やサービスのプロジェクトをアピールし、共感者から資金を集めるのが購入型クラウドファンディングです。支援者はリターンとして商品やサービスを受け取ります。つまり、事前予約購入と言い換えられます。購入型クラウドファンディングには、目標金額に達しないと払い戻しされリターンのないAll or Nothing型と、目標金額に達しなくても資金を受け取れるAll In型とがあります。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングは募金とほぼ同じです。災害からの復興や病気治療、動物愛護などの寄付や支援を募るプロジェクトが多く、そのプロジェクトに共感し賛同した支援者が寄付します。起案者の情報はすべて開示されているので安心して寄付できます。金銭や商品のリターンはありませんが、お礼と経過報告を兼ねた写真や手紙が送られてくることがあります。
支援者・起案者別にみるクラウドファンディング
クラウドファンディングは、支援者として投資や寄付をするか、起案者としてアピールし支援を募るかのどちらかで参加することになります。支援者は投資家でもあり、リターンを求めるかどうかで出資するクラウドファンディングのタイプが異なります。とくに金融型クラウドファンディングは、少額でもできる資産運用として活用されています。起案者にとっても、幅広く募ることのできるクラウドファンディングは魅力的な資金調達方法です。銀行で十分な融資が受けられなかった事業所などにも利用が広がっています。
クラウドファンディング支援者としてのやり方・ポイント
支援者としてのクラウドファンディングのやり方は難しくありません。まずは金融型・購入型・寄付型のうち、どのクラウドファンディングにするかを決めて登録します。次に登録したクラウドファンディングサイトの中から共感、あるいは応援したいプロジェクトを選択して入金決済します。寄付型はそこで終了。場合によっては写真や手紙が送られてきます。購入型はリターンとしての商品が届いた時点で終了です。金融型の場合、決済後経過を見守り運用がうまくいっているか確かめることをおすすめします。
クラウドファンディングに登録し支援プロジェクトを選択
クラウドファンディングのプラットフォームは複数あり、地元応援や事業の立ち上げに特化するサイトや、起案者を女性限定としたサイトなど多種多様です。その中から、支援者はどのクラウドファンディングサイトに登録するか決めなければなりません。サイトによっては大量の案件を扱っていますが、自分が支援したい分野があればカテゴリで絞り込めます。そして、共感し応援したいプロジェクトを選びます。
プロジェクトに入金・決済し進捗状況を見守る
プロジェクトを選んだら入金して決済します。1,000円以下の支援を受け付けるプロジェクトは多く、初めてでも不安なく試せるでしょう。入金方法はクレジットカードやコンビニ払い、銀行振り込み、PayPayなどさまざま。携帯電話会社によるキャリア決済もあります。購入型や金融型の場合、リターンを受け取るための自分の情報を登録しておかなければなりません。また、サービスによって入金方法が異なるので注意が必要です。
商品や利息などのリターンを受け取る
購入型クラウドファンディングは、リターンとして返礼品を受け取りプロジェクトを終了します。金融型の場合、利息がリターンとなり、満期を迎えたら出資金も返済されプロジェクト終了です。不動産の場合は家賃収入や売却収入がリターンとなります。けれども、状況によっては受け取れないこともあるので、入金後の経過を見守ることが必要でしょう。プロジェクトが失敗しリターンの目途が立たないときは、起案者による全額返済が義務付けられてはいますが、それさえできないこともあるので注意が必要です。
クラウドファンディング支援者として押さえておきたいポイント
支援者として大切なのは、何を得たいかをはっきりさせておくことです。商品やサービスに興味を持ったのか、不動産や金融商品の利息を得て資産運用したいのか、善意で支援したいのかによって登録するクラウドファンディングサイトが異なります。とくに金融型クラウドファンディングの場合、リスクを伴うこともあるので慎重な判断が迫られるでしょう。リスクを避けるためには、実績のあるクラウドファンディング業者を選びましょう。ひとつのプロジェクトが破綻してもカバーできるように分散投資をし、担保や保証付きのプロジェクトを選択することをおすすめします。
クラウドファンディング起案者としてのやり方・ポイント
起案者としてクラウドファンディングをやるには最初の計画が大事です。何をテーマに取り組みどのような成果を上げるのか、どのくらいのお金が必要なのかを明確にしなければなりません。計画を立てたらプラットフォームに登録します。審査を受け、合格したら公開され支援金の募集が始まります。起案者として忘れてはならないのが支援者への感謝の気持ち。目標額に達しようが達しまいが、支援者へは感謝の気持ちを伝えましょう。
プロジェクトの立ち上げとクラウドファンディングサービスの選択
まずは何をやりたいのかを明確にし、それに必要な目標金額を設定します。目標金額は欲張らず、高すぎず低すぎずの適切な数値を設定しましょう。細やかな内訳までを明確にできなければ資金は集まりにくいからです。次にやることはクラウドファンディングサービスへの登録ですが、複数のプラットフォームがありそれぞれに特徴的です。寄付型・金融型・購入型のいずれにも対応する業者もあれば飲食店に特化した業者、地域活性化に重点を置いたプラットフォームなどがあります。自分のプロジェクトに適したサイトを選びましょう。
プロジェクトの審査と公開、SNSへの発信
選択したプラットフォームに必要な情報を登録し、プロジェクトについて発案の経緯、内容と目的、集めた資金の用途までを明確に記載します。金融型と購入型の場合はリターンの内容も示さなければなりません。登録情報と投稿内容はクラウドファンディング業者によって審査され、合格したら公開されます。けれども、プラットフォームで公開されたから安心というわけではありません。多くのプロジェクトがひしめく中で、どれだけの支援金を集められるかは未知数です。企業サイトやSNSなどで積極的にアピールすることをおすすめします。
プロジェクトの経過報告と支援者へのリターン
支援者へプロジェクトの進捗状況を報告することは大切です。定期的にWebページ上で経過と達成率を公開するようにしましょう。目標金額に達したら運営会社の手数料を引いた金額が入金されます。購入型と金融型の場合、リターンを済ませてプロジェクトは終了しますが、期間中に目標金額に届かなかったら全額払い戻されることもあります。いずれのケースにおいても、支援してくれた方々への感謝を忘れてはいけません。Webページなどにお礼の言葉を記載しましょう。
クラウドファンディング起案者として注意すべきポイント
クラウドファンディングにおいて、プロジェクトを成功させるポイントは支援者の共感を得ることです。社会貢献やボランティア精神を含む内容は支援されやすい傾向にありますが、個人的なアイディアでも説得力があり共感を得やすいものなら応援したくなるでしょう。ただし、クラウドファンディングによる資金調達は目的ではなく、夢や目標を実現するための手段にすぎないことを忘れてはいけません。支援者の視点にも立てる想像力が必要です。
クラウドファンディングは投資家と起業家との気軽な架け橋
人の見る夢と抱く希望は無限大です。夢を応援し、希望を支援したい人もたくさんいます。その架け橋となるのがクラウドファンディングです。簡単な手続きで気軽に参加でき、予算の多少にかかわらず運用できる面白みがあります。 資産運用の試みとして参加する方も多く、2017年の不動産特定共同事業法の改正以降、不動産型クラウドファンディング事業者参入のハードルが下がり、投機意欲が上昇し続けています。 クラウドファンディングは、誰もが気軽に支援や寄付、資産運用ができ、また起案者として豊富な夢やアイディアの実現のために資金を募れるサービスです。支援者と起案者のみならず、未来へも繋がる架け橋となっています。
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