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不動産クラウドファンディングで海外に投資
「不動産クラウドファンディング」とは、複数の投資家から資金を集めて不動産プロジェクトに出資し、収益を得る投資方法です。少額からはじめられるので個人投資家を中心に人気があり、近年では海外物件を扱うサービスも増えてきています。海外への不動産投資は、投資家の負担やリスクが大きくハードルの高いものでしたが、クラウドファンディングのシステムを利用することで、初心者でも気軽に海外不動産に投資でるようになります。
海外不動産クラウドファンディングの特徴とメリット
海外の不動産物件に投資ができる海外不動産クラウドファンディングには、日本国内の不動産投資にはないさまざまなメリットがあります。海外不動産のクラウドファンディングにはどのようなメリットがあるのかを以下に紹介します。
少額から海外物件に投資ができる
通常、一般的な不動産投資であれば、物件購入のための潤沢な資金が必要となります。特に海外の不動産に投資するとなると、必要な資金も大きくなります。クラウドファンディング型の不動産投資では、一口数万円から投資が可能。海外不動産が対象のクラウドファンディングでも、10万円程度あれば投資ができます。
利回りが高いプロジェクトが多い
不動産投資をおこなう上で重要となる指標が、物件やプロジェクトの収益性をはかる「利回り」です。海外不動産のクラウドファンディングでは、国内の案件と比較して高い利回りが期待できます。海外不動産クラウドファンディングの利回りはプロジェクトによって異なりますが、想定利回り10%前後の案件も多くあります。
分散投資でリスクコントロールもできる
海外不動産のクラウドファンディングでは、さまざまな地域・国のプロジェクトに投資ができます。複数の国のプロジェクトに投資すれば、リスクの分散が可能。また、海外への投資は、日本国内で不動産価格や円が暴落した場合のリスクヘッジにもなります。
海外不動産クラウドファンディングではどんな国に投資できるのか
海外不動産クラウドファンディングは、アジア、北米、ヨーロッパなど世界各地の不動産プロジェクトに投資ができます。海外不動産のクラウドファンディングで投資できる国と、プロジェクトの傾向をみてみましょう。
アジア・オセアニアのプロジェクト
東南アジアおよび中央アジアの諸国では、今後の都市開発に伴い不動産価格の上昇が見込まれています。またオーストラリアに代表されるオセアニア地域は、リゾート物件への不動産投資が盛ん。特に、オーストラリア東海岸のゴールドコーストや西海岸のパースには別荘やリゾートホテルも多く、投資家の注目が集まっています。
北米大陸のプロジェクト
北米大陸に位置するアメリカには、不動産投資の案件が数多くあります。オフィスビルやリゾート物件などプロジェクトの幅も広く、世界の基軸通貨である米ドルは為替のリスクが低いことも強みです。また、米国は政治的・経済的にも安定しており、カントリーリスクも抑えた投資が可能。アメリカは、世界各国の中では投資リスクの低い国といえます。
ヨーロッパのプロジェクト
ヨーロッパにもさまざまな不動産投資のプロジェクトがありますが、開発の進んだ西ヨーロッパ諸国よりも、東ヨーロッパ方面に案件がある傾向にあります。特にバルト海沿岸部では、3大都市タリン、リガ、ビルニュスをつなぐ高速鉄道「Rail Baltic」の開通が2026年に予定されており、開発による不動産価格の上昇が見込まれます。
中南米・アフリカなどのプロジェクト
中南米諸国やアフリカ大陸の国々も、これからの成長が見込まれています。特に、アフリカの人口は現在10億人ほどですが、2050年には約25億人にまで増加が予測されています。アフリカでは、全人口の多くを若年層が占めており、今後の成長の加速が期待されます。アフリカや中南米には不動産だけでなく、インフラ整備や雇用創出など、多彩な要素をもつ投資プロジェクトが多いのも特徴です。
海外不動産クラウドファンディングの注意点
世界各地のプロジェクトに投資ができ、さまざまなメリットをもつ海外不動産クラウドファンディングですが、あくまでも投資なのでリスクも存在します。海外不動産のクラウドファンディングにおいて、起こりうるリスクと注意点を考察します。
為替の変動
海外物件に投資する際に、気をつけることのひとつに「為替」があります。現在、世界の国家が発行する通貨は変動制の為替レートで動いており、日々値動きがあります。為替リスクの例として、ユーロでは良い利回りだった不動産が、日本円に換算してみるとマイナスになってしまうことなどがあります。このように、海外の不動産投資では為替差損に注意が必要となります。
カントリーリスク
「カントリーリスク」は、海外不動産投資で外せないリスクのひとつです。カントリーリスクとは、投資物件がある国の政治情勢や経済の状況、自然災害や戦争などの影響でマーケットや物件価格が大きく変動するリスクです。特に、不動産投資クラウドファンディングの対象となりやすい新興国では、このカントリーリスクが大きくなる傾向にあります。
短期的な利益は期待できない
株や為替の相場では、価格が1日で大きく動ことがあります。株式投資やFXなどでは、このボラティリティの高さを利用して短期的に利益を得ることも可能です。しかし、不動産投資ではそのような大きな値動きはあまり期待できません。また、不動産クラウドファンディングを提供するサービスでは、一定期間の資金ロックや出勤時の手数料がかかる場合もあります。海外不動産のクラウドファンディングは、短期的な利益を狙うよりも長期投資向きのサービスといえます。
海外不動産クラウドファンディングを提供するサービス3選
不動産投資のクラウドファンディングを提供するサービスは国内に複数展開し、個人投資家を中心に高い人気を得ています。その多くは日本の不動産プロジェクトのみを扱っていますが、中には海外不動産クラウドファンディングを提供するサービスもあります。2021年現在、注目の不動産投資クラウドファンディングサービスを紹介します。
Crowd Bank(クラウドバンク)
「クラウドバンク」は、日本クラウド証券会社によって運営される融資型クラウドファンディングサービスです。世界各地の不動産プロジェクトや企業支援への投資ができ、対象地域は北米、アジア、オセアニアからアフリカや中南米など幅広く対応しています。クラウドバンクでは、平均6.8%の高水準での実績平均利回りを提供。最低投資金額は1万円からとなっており、気軽に海外不動産への投資が可能です。
TECROWD(テクラウド)
2020年にサービスが開始された、海外不動産専門のクラウドファンディングが「TECROWD」です。TECROWDはモンゴルをはじめとする中央アジア地域で、不動産の建設と投資事業をおこなっています。新興国の不動産プロジェクトは、物件のクオリティーや管理の面がリスクになりえますが、TECROWDでは日本企業が監督する案件を紹介。比較的高水準のプロジェクトに投資ができます。
CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)
「CAMPFIRE Owners」は、国内最大規模のクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」が運営する、融資型のクラウドファンディングサ-ビスです。CAMPFIRE Ownersでは、日本国内の不動産案件のほかに、海外のプロジェクトにも投資が可能。最低投資金額は1万円からとなっており、予定利回りで3.0%〜7.0%となっています。また、利回り重視の案件以外にもさまざまな業界、資金使途のファンドを支援できます。
クラウドファンディングで海外不動産投資家になる
海外不動産クラウドファンディングは、少額からでも海外に投資できる魅力をもったサービスです。海外不動産のクラウドファンディングは投資なので、想定外のリスクによる元本割れの可能性があります。しかし、今後発展が見込まれる地域やプロジェクトに投資できることは大きなチャンスでもあります。海外の不動産投資では、しっかりとリスク管理をおこなった上で資金を投入すれば、リスクに見合う以上の利益を得ることも可能です。
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